2010-11-06から1日間の記事一覧

小説「新・人間革命」 母の詩 31 11月6日

山本伸一は、母の幸に、日寛上人の「臨終用心抄」を要約して講義し、力強く訴えた。 「日蓮大聖人は、題目を唱え抜いていくならば、成仏は絶対に間違いないと、お約束されています。 伝教大師が受けた相伝にも、『臨終の時南無妙法蓮華経と唱へば妙法の功に…

小説「新・人間革命」 母の詩 30 11月5日

山本伸一の母・幸は、一九七六年(昭和五十一年)に入ってからも、六月には、元気に関西旅行に出かけた。しかし、月末から体調が優れず、床に伏す日が多くなっていった。 七月初旬には、何度か、危篤状態に陥ったのである。 伸一が見舞った時、母は、既に酸…

小説「新・人間革命」 母の詩 29 11月4日

母の幸は、学会本部に来る時には、よく自分で縫った黒い羽織を着ていた。 本部は、広宣流布の本陣であり、歴代会長の精神が刻まれた厳粛な場所である。正装して伺うのが当然である――というのが、母の考えであった。 息子が会長であるからといって、公私を混…