2016-08-24から1日間の記事一覧

小説「新・人間革命」 清新57 2016年年8月20日

山本伸一の三度目となる今回のインド訪問は、「七つの鐘」の掉尾を飾るとともに、二十一世紀への新しい旅立ちとなる、ひときわ深い意義をもつ世界旅であった。 彼は、その記念すべき訪問の出発地を、どこにすべきかを考えた時、即座に九州しかないと思った。…

小説「新・人間革命」 清新56 2016年年8月19日

霧島連山は冬の雲に覆われ、薄日が差したかと思うと、雪がちらつくといった、安定しない天気であった。 一九七九年(昭和五十四年)二月一日、山本伸一は鹿児島県の九州研修道場にい た。三日には鹿児島を発ち、香港を経てインドを公式訪問することになって…

小説「新・人間革命」 清新55 2016年年8月18日

時代が変動していくなかで、宗教には、人びとの精神に、平和と幸福を創造する智慧の光を送り続ける使命と責任がある。 そのために宗教者には、共に最高の真理を探究し続け、教えを自ら比較、検証し、切磋琢磨していく向上への努力が不可欠となる。 それを欠…

小説「新・人間革命」 清新54 2016年年8月17日

人類は、往々にして紛糾する事態の解決策を武力に求めてきた。それが最も手っ取り早く有効な方法と考えられてきたからだ。 しかし、武力の行使は、事態をますます泥沼化させ、怨念と憎悪を募らせたにすぎず、なんら問題の解決にはなり得なかった。 一方、対…