人物紀行「歴史の巨人」と語る

【第10回】 世界的な科学者・平和運動家 湯川秀樹・スミ夫妻  2009-10-30

人間性の拡大こそ焦点! 列島に大光が差し込んだ。戦後長らく、日本を覆っていた曇天が吹き飛んだ。それは、関西からであった。 関西で学び育った理論物理学者・湯川秀樹博士の偉業は、敗戦に沈む国民を、どれほど勇気づけてくれたか。 博士は、原子核の構造…

【第9回】 ルネサンスの巨匠 レオナルド・ダ・ビンチ   2009-10-18

努力なくして勝利の完成なし 「汝、奮起せよ!」「精神は鍛錬なしには堕落する」 ルネサンスの巨人は、そう鼓舞しているようであった。 1999年の11月3日。創価大学の本部棟に完成した、レオナルド・ダ・ビンチの像と、私は向き合った。 ブロンズ像の高さは…

【第8回】革命と情熱の詩人 バイロン  2009-8-27

若き日に 読みたる感動 バイロンの 姿を見つめむ 君らの英知に 青春の魂は恐れを知らぬ。 若き英国の詩人バイロンは、渾身の叫びを上げた。 「我れ絶望に屈服せず!我れ我が苦悩と戦いぬ」① 青年ならば、前進だ。勇敢に前へ進む限り、希望という友が微笑み、…

【第7回】 韓国のジャンヌ・ダルク 柳寛順《ユ グワン スン》 2009-8-9

乙女よ立ち上がる時は今! 「救国の乙女が 平和と幸福の礎 勝利の果実を我らに もたらした」(森田稔訳) ロシアの作曲家チャイコフスキーの傑作オペラ「オルレアンの少女(ジャンヌ・ダルク)」の一節である。 この世に、正義の信念に生き抜く乙女の声ほど…

【第6回】 民主主義の父 リンカーン 2009-7-10 (下)

人民のために! 1861年の3月、リンカーンは、大統領就任式に臨んで語っている。 「人民が選挙によって私を選び、演説の中で述べられた希望を実現するための道具としてくれたわけです」(『リンカン民主主義論集』) 自分を選んでくれた人民に、いかに応…

【第5回】 民主主義の父 リンカーン 2009-7-10 (上)

さあ、今日という一日を、思う存分に戦い切ることだ。 一切は、そこから開ける。 「今日の苦闘は、今日だけのものではない。 それは、壮大な未来のためのものでもある」 こう語りかけ、青年を励ましてくれる先哲がいる。誰にも増して、悪戦苦闘の人生を生き…

「歴史の巨人を語る」 【第4回】 近代科学の父 ガリレオ・ガリレイ  2009-7-6

ガリレオ・・ガリレイは、「対話の人」であった。 彼は、生き生きと天空を見上げ、星たちと論じ合った。そしてまた、陽気に街へ飛び出して、人々と話し合った。 友人たちと共に「真理の間をさすらい、論議を重ねながら歩むのは、この上もなく楽しいことだ」…

【第3回】 新聞小説の王者 アレクサンドル・デュマ 2009-5-26

【第3回】 新聞小説の王者 アレクサンドル・デュマ 2009-5-26 正義が勝つまで反撃せよ! 「あれが、巌窟王を鍛えた師弟の島だよ」 1981年(昭和56年)6月9日の正午。私は欧州の青年リーダーたちと共に、潮風が香る港町マルセイユの丘の上に立った。 明る…

【第2回】 人間主義の王者 ゲーテ  2009-3-15

“ゲーテは『勇気』を教えてくれる,と感謝したのは、アメリカ・ルネサンスの哲人エマソンであった。 時を超え、国を超えて、永遠の青年ゲーテとの心の対話は「勇気」を広げる。 1981年の5月1B曰、私はそんな思いを胸に、欧州の若き友らと、ドイツのフランクフル…

池田名誉会長の人物紀行 「歴史の巨人」と語る  【第1回】 英国の不屈の宰相 チャーチル 2009-1-29

【第1回】 英国の不屈の宰相 チャーチル 「我々は絶対に屈服しない。最後まで勝利に向かって前進するのみだ!」 新聞の写真に写ったその人の瞳は、不敵なまで強靭な信念の光線を放っていた。 1940年(昭和15年)6月、ナチスに対する英国の徹底抗戦を報じ…