小説「新・人間革命」 SGI18  1月23日

 日本を代表して、前年の十月に理事長になった十条潔があいさつしたあと、IBL(国際仏教者連盟)の名誉総裁となった宗門の日達法主の話となった。

 「このような国際会議は三千年の仏法史上、未曾有の出来事であり、まことに喜ばしいかぎりであります」

 彼は冒頭から賞讃を惜しまなかった。それは、率直な感想であったにちがいない。

 「日蓮大聖人がこの皆様のお姿を御覧になられたならば、どんなにお喜びになられるかと推察され、感涙おさえがたい思いがいたします」

 さらに、仏法の流布は“時”によると大聖人は仰せであるが、その“時”は山本伸一の努力によってつくられ、世界的な仏法興隆の時を迎えたことを強く訴えた。

 そして、「最も御本仏の御讃嘆深かるべきものと確信するものであります」と語ると、怒濤のような拍手が広がった。

 最後に、日達は、伸一が世界平和の潮流を巻き起こそうと率先して働いていることを語り、伸一を中心に「ますます異体同心に団結せられ、世界平和の実現をめざしてください」と話を結んだ。

 日達が明言したように、日蓮仏法を世界に弘め、正法隆昌の時代を開いたのは、まぎれもなく伸一をはじめとする創価学会員の命がけの奮闘によるものである。

 御書には「妙法の五字を弘め給はん智者をばいかに賤くとも上行菩薩の化身か又釈迦如来の御使かと思うべし」(五五〇ページ)と仰せである。

 大聖人の仰せのままに、世界に妙法を広宣流布してきたわれら学会員に、無量無辺の功徳が降り注がぬわけがない。

 また、世界広宣流布の広がりは、学会が日蓮大聖人の仰せのままの、仏意仏勅の唯一の団体であることを裏づけている。        

 弾むような司会者の声が響いた。SGI(創価学会インタナショナル)会長となった山本伸一の初めてのスピーチである。

 大拍手と歓声が場内を包んだ。

 「おめでとう。ありがとう!」

 演壇に立った伸一は、こう言って参加者に満面の笑みを向けたあと、会議の開催にあたってお世話になった地元グアムの関係者に対して、心から感謝を述べた。