【第11回】 不屈の常勝魂 関西青年部 2010-3-26
未来はすべて君たちに託す!
池田名誉会長の胸には、恩師の声が響いていた。
「青年が青年を呼ぶのだ」
青年と青年の連帯──そこには常に、発展がある。希望がある。勝利がある。その理想の天地を、青年と共に「関西」につくった。
だからこそ、関西の冠は「常勝」なのである。不屈の魂が脈打つのである。
「先生、文化祭をやらせてください!」
名誉会長は、真剣に訴える青年部の顔をじっと見つめた。
昭和56年(1981年)11月、関西文化会館のロビー。卑劣な陰謀による会長辞任から2年半。広布を阻む邪悪の暗雲を、青年の熱と力で打ち破りたい!
「『学会ここにあり、師匠は健在なり!』と、満天下に示す舞台にします!」
「10万の関西の青年がお待ちしています!」
名誉会長の言葉に力がこもった。「青年が待っているのか!」
バックスタンドを埋めた1万4000人による「人文字」。アニメーションのような動きに、誰もが釘付けになった。
1万人の新入会の友による大行進。初練習の時には、ほとんど学会歌を歌えなかった。師の励ましのなか、友と学び合うことが成長の力に。胸張るその姿は、「躍動する創価学会」そのもの。
圧巻は、男子部の「六段円塔」。一段一段、組み上げていく。練習で成功はたったの1回。同時刻、関西の全同志の必死の祈りがあった。
最後の一人が体勢を立て直し、ゆっくりと立ち上がった!
「関西魂の結晶、六段円塔の完成です!」。力強いアナウンス。この"青年の塔"は、創価の反転攻勢の突破口になった。
文化祭の主役は出演者だけではない。衣装製作、整理役員、清掃役員……。
電飾で人文字を描く「ヒューマン・アーツ」の友に向かい両手を上げながら場内を一周。整理役員と音楽隊の友にレイを贈った。
黙々と舞台の解体作業を続ける青年たちがいた。
名誉会長は、陰の人を片時も忘れない。大きな行事であればあるほど、裏方の存在を敬い激励する。名誉会長は友のため揮毫した。
「この英雄ありて、常勝関西」
岡本功一さんは、全体を支える1段目の一人。高専卒業後に就職したが、文化祭で培った不可能を可能にする信心で実証を示し、働きながら大学院博士課程に。大阪・都島大城区の区長として奮闘する。
「3・22」の時、関西総合女子部長だった山下以知子関西婦人部長。「婦人部員と懇談していると、当時、女子部として文化祭にかかわったことが原点になり、病苦や経済苦などの宿命を乗り越えることがで
きたと誇りをもっておられます。関西魂とは、不屈の負けじ魂。先生と同じ心で、戦い抜くことです!」
名誉会長の関西青年部への期待は、いつの時代も変わらない。第3回関西青年部総会。雄渾の指揮を執りゆく名誉会長の眼差しは、後継の青年たちへの熱さ思いで漲っていた。
「諸君は、戦い抜くべきである! 生き抜くべきである! 永遠不滅の歴史をつづるべきである! 未来はすべて諸君に託すのだから!」