第4回 挑戦の夏に!   (2012.8.1付 少年少女きぼう新聞)

少年少女部のみなさん、新しい学年での1学期、よくがんばりましたね。
 先日(7月15日)、行われた「創価ファミリー大会」でも、みなさん方の代表の活躍の姿と、すばらしい歌声の大合唱に、全国のお父さん、お母さん方も、世界のリーダーたちも、心から感激していました。
 本当に本当にありがとう!
 みなさんが明るくはつらつと前進してくれることこそが、全同志の何よりの喜びであり、広宣流布の最大の希望なのです。
 いよいよ、イギリスの首都ロンドンで始まったオリンピックにも、みなさんの先輩にあたる少年少女部出身の若き友が、何人も出場して奮闘しています。
 今のみなさん方の中からも、将来、オリンピックで金メダルを勝ち取るような人が、きっと出てくることでしょう。
 みなさん方が、ありとあらゆる分野で、世界の大舞台に躍り出て、大勝利者として光り輝いていくことを、私は強く深く、祈り、信じています。
 どうか、大きな夢を広げながら、この夏休みも、元気いっぱいに、学び、遊び、きたえ、成長していってください。
 
 そこで、きょうは、楽しい夏休みをすごすための合言葉を一つ、みなさんに伝えておきたいと思います。
 それは「チャレンジ」です。
 そう、何でもいいから「挑戦しよう!」ということです。
 みなさんが本当に楽しいなと感じるのは、どんな時でしょうか。もちろん、いろいろな楽しさがあります。ただ、その中で、何か目標を立てて、一生けんめい挑戦している時は、たとえ大変であっても、心が生き生きと充実しているでしょう。この充実感こそ、本当の楽しさと一体なんです。
 オリンピックで活躍する選手たちも、みんな、それはそれは苦しい練習の連続です。
 でも、「勝利」という目標に向かって、思い切り挑戦しているから、心が充実して躍動しています。その誇り高い楽しさを知っているから、きびしい訓練にも歯を食いしばってたえられるのです。
 みなさんの中には、せっかく挑戦しても、なかなか長続きしないという人もいることでしょう。私にも、よくわかります。
 でも、「三日坊主」だって、かまわない。3日間、挑戦したことは、3日分は前進し、成長したということだからです。3日続いたのだから、自分に自信を持つことです。くよくよしないで、三日坊主を何回もくり返せばいいんです。10回くり返せば、1カ月にもなります。
 何回も、こりずに決意して、挑戦できる人が、偉い人です。勝つ人です。
 大事なことは、ねばり強く挑戦を続けるということなんです。
 
 ねばり強い挑戦のチャンピオンというべき人がいます。私の尊敬する友人である、南アフリカ共和国マンデラ元大統領です。私より10歳年上で、先日(7月18日)、94歳になられました。
 長い間、黒人が差別され、いじめられてきた国で、27年半、つまり1万日もの間、牢獄に入れられながら、人間の自由と平等のために、挑戦を貫き通した不屈の人です。
 マンデラさんは、「インビクタス」という題名の詩を大切にしてきました。
 むずかしい言葉だけど、日本語では「負けない」「へこたれない」「屈しない」という意味です。みなさんが知っている「負けじ魂」と言いかえてもいいでしょう。
 マンデラさんが大統領となった翌年の1995年、南アフリカラグビーというスポーツのワールドカップ(世界選手権大会)が盛大に行われました。
 この時、地元である南アフリカの選手たちは、マンデラ大統領から励まされ、「インビクタス」すなわち「負けじ魂」を燃え上がらせました。そして、いくつもの試練を勇敢に乗り越え、自分たちより強いと言われていたチームを次々に破って、ついに優勝をもぎ取ったのです。
 選手たちは、最高に晴れがましい笑顔で、マンデラ大統領をはじめ、黒人も白人も分けへだてのない、新しい国の全国民に「負けじ魂」の栄冠をささげました。
 自分らしく挑戦を続けている人は、途中、負けたように見えることがあっても、最後には必ず勝利者となります。
 以前、私が関西創価学園の「健康祭」に出席した時のことです。
 マラソンの途中で体調をくずしてしまい、みなから大きくおくれてしまった一人の学園生がいました。しかし、ゆっくりゆっくりでしたが、最後まであきらめずに走り通したのです。ゴールでは、みなが大拍手で迎えました。私は胸につけていた白いバラのリボンを、金メダルの代わりに差し上げて、健闘をたたえました。
 その負けじ魂の学園生は、勉学にも、ねばり強く挑戦を重ね、今は正義の弁護士となって、庶民のために大活躍しています。
 
 勉強や読書においても、「もう一歩ねばる心」が力となります。もうやめたいなと思った時に、「あと5分」 「あと1ページ」と、自分の心をふるい立たせることです。
 最近の研究では、「ちょっとがんばってできた」という達成感は、人間の脳にとって、とてもいいことがわかってきました。新しいことにチャレンジしていくことで、脳は強く賢く成長するのです。
 私は、師匠・戸田先生の偉大な歴史を残すため、そして友に励ましを送るためにと、小説『人間革命』『新・人間革命』を書き続けてきました。1枚また1枚、1回また1回と積み重ねて、連載回数は合わせて6400回を超えました。
 これからも、力の限り書きまくって、みなさんに、創価の一切のバトンを託していく決心です。
 ともあれ、本当に楽しく充実した青春とは、自分自身の「挑戦の心」で、いくらでも広がっていきます。
 きょうは、きのうの自分に勝つ!
 あしたは、きょうの自分に勝つ!
 そのくり返しが、偉大な人生を築きます。
 さあ、「挑戦の夏」だ。挑戦の原動力である題目を唱えながら、新しいチャレンジを開始しよう!
 君の晴れ舞台で、あなたの晴れ舞台で、自分自身の新記録を打ち立てていってください。
 愛するみなさんの健康と無事故を、私は祈りに祈っていきます。
 一回りも二回りも、大きく成長したみなさんと対話することを楽しみにしています。元気でね!