小説「新・人間革命」 勇将 16 2013年 3月2日

香川県婦人部総会の結びに、山本伸一は、四国創価学会への期待を語っていった。
 「四国では『教学の年』第二年である本年を、『四国前進の年』と定めたと伺いました。
  大切な意義づけであると思います。
 四国は、方面としては小さいかもしれないが、広宣流布の前進の模範が示せれば、それは、全学会に波動していきます。
 前進なきところには、仏法の脈動はない。進歩なきところには、真の生きがいも生まれません。前進しようという意欲こそが、人間性であるともいえます。
 ゆえに皆さん方も、『よし、一遍でも、百遍でも、多く題目を唱えていこう』『毎日、一人の個人指導をやり遂げていこう』など、本年は、それぞれが何か一つ、前進の実りを残していただきたい。
 その蓄積は、一年後、さらには、それを五年、十年と続けていった時には、想像もできないほどの、生命の財産となり、人間革命の歴史となります。一切は自分のためであり、大福運に包まれていくための実践です。
 創価の太陽である婦人部の大発展を、心よりお祈り申し上げ、あいさつといたします」
 このあと、四国の新出発にあたって作られた、四国方面旗、香川・高知・愛媛・徳島の各県旗、四国青年部旗が、理事長から、四国長、各県長、四国青年部長に授与された。
 方面・県旗には、四国の紺碧の海をイメージする紺地に、四国の四県を表す、赤、緑、オレンジ、ブルーの線がS字形に走り、「団結」の文字が染め抜かれていた。
 旗のデザインは、各県旗とも同じであった。つまり、どの県の旗にも、他の県を表す線が入っていることになる。
 そこには、四国は一つであるとの、団結の心意気が込められていた。
 伸一は立ち上がって、旗が手渡されるたびに、大きな拍手を送りながら、願い思った。
 『四国は、この旗を掲げて、団結第一で進んでほしい。学会は、平凡な庶民の団結の力で大発展し、広宣流布は大きく進んだ。団結こそが、学会の命だ!』