小説「新・人間革命」 勇将 31 2013年 3月20日
長野栄太は、頬を紅潮させながら語った。
この明るく、楽しい、語らいの場を通して、弘教の力強い波動を、わが庵治の地から、全国津々浦々に伝えてまいります」
そして、ひときわ大きな声で、こう叫んで代表抱負を締めくくった。
「全国の皆さん! どうか、この庵治支部にご注目ください!」
万雷の拍手が場内を包んだ。
副会長、理事長らのあいさつに続いて、会長の山本伸一の指導となった。
彼はまず、歴史上、多くの宗教が時代の変遷のなかで、宗教本来の使命を忘れ、活力を失っていった原因について考察。
その具体的な要因の一つは、宗教が民衆から離れ、聖職者が宗教的権威に寄りかかり、民衆を見下すようになり、過剰なまでの上下の関係がつくられたことにあると指摘した。
成仏も、また功徳も、組織のうえでの立場によって決まるものでは決してありません。
御本尊に、妙法という大法に直結した、信心の厚薄によって決まります。それを皆に伝えてきたのが創価学会なんです。
皆の一生成仏、広宣流布に向かって、組織がまとまっていくには、〝要〟の存在が不可欠です。
いかなる組織、機構も、〝要〟がなければ烏合の衆になってしまう。
その〝要〟となるのが〝長〟であります。
壮年でいえば、県長も、本部長も、また、大ブロック長も、ブロック長も〝要〟です。