激闘 2 2014年3月22日

山本伸一は、立川文化会館での記念勤行会を終えると、直ちに創価大学へ向かった。
「5・3」のメーン行事となる、「創価功労賞」「広布功労賞」の表彰式典等に出席するためであった。
草創期から、共に広宣流布に戦い抜いてくれた同志を、彼は、最高に讃え、励ましたかったのである。
学会の組織は、大きな世代交代の時期を迎えていた。広宣流布の未来を盤石なものにしていくには、続々と若いリーダーが誕生しなければならない。
そこに組織の活性化も図られていく。その際、新しいリーダーが、功労者の先輩たちを最高に遇していけるかどうかが、広布伸展の重要なポイントになる。
具体的には、その組織に、どんな先輩がいるのかを知っていくことから始まる。
そして、一人ひとりにお会いし、敬意をもって、広宣流布とともに歩んだ体験に耳を傾け、そこから真摯に学んでいくことである。
信仰の年輪を重ねた人には、実践を通して培われてきた、確信と智慧の輝きがある。
「尊敬を欠く人間は果実を実らせることができないだろう」(注)とは、詩人で小説家のリルケの戒めである。
さらに、どうすれば、その先輩がいかんなく力を発揮し、皆が喜び、地域広布が前進するのかを考えていくことだ。
学会は、人材の大城である。さまざまな力、実績をもった多くの功労者がいる。
その方々に光を当てて、力を借りていくならば、組織は何倍も強くなる。
広宣流布を決するのは総合力である。総合力とは団結力である。
伸一が、会長就任十八周年のメーン行事を、功労者への表彰式典としたのも、草創の勇者たちの広宣流布への大貢献に感謝するとともに、円熟した人格と豊富な経験を生かして、ますます広布前進の大きな力になっていただきたいとの思いからであった。
生涯を広宣流布に生き抜いてこそ、真の功労者である。後退は、自身の黄金の歴史を汚すことになる。
■引用文献:リールケ著『若き日の真実』森有正訳、角川書店