激闘59  2014年5月30日

山本伸一は、会場の雰囲気を解きほぐそうと、「今日は、皆さんは緊張しているようなので、私が司会をさせていただきたいと思いますが、いいですか」と参加者に尋ねた。
大拍手が起こった。
「会場がいっぱいであるために、後ろにいらっしゃる方の顔を見ることができなくなってしまうので、椅子に座らせていただきます。
しかし、本当は、皆さんの真ん中に入って、和気あいあいと語らいをしたいというのが、私の気持ちなんです。
今日は、最初に、座談会について語らせてもらって、よろしいですか」
また、拍手が広がった。
「今、全国津々浦々で開催されている座談会は、牧口初代会長の時代から行われてきた学会の誇るべき伝統行事です。
学会といえば座談会、座談会といえば学会です。
それは、人間と人間の触れ合いの場が失われ、殺伐とした現代社会にあって、人間共和のオアシスの役割を担っています」
伸一は、その座談会の在り方について、この山口の地から、全国に向けて、発信しようと考えていたのである。
「まず、最初に申し上げたいことは、御本尊のもとでは皆が平等であり、その縮図が学会の座談会であるということです
したがって、どこまでも全員参加をめざしていただきたいと思います。
学会には、さまざまな社会的立場の方がおります。職業も、年齢も異なっています。
その方々が、平等に、全員が主体者となって語り合いがなされていくのが座談会です。
今日は、大勢の方が参加されておりますので、全員が話すことはできませんが、本来は、皆が信仰の喜びや決意を述べ、わからないことがあれば、忌憚なく質問できるのが座談会なんです。
そして、全参加者が、歓喜に燃えて、信心の向上と地域の発展のために尽くす
ことを決意し合い、晴れ晴れとした思いで帰っていける、楽しく、有意義な集いにしていただきたいのであります」