求道22  2014年7月9日

参加者は、真剣な表情で、山本伸一に求道の視線を注いでいた。
伸一は、場内を見渡した。青年時代に共に戦った多くの人たちの顔があった。
皆、幾筋もの皺が刻まれ、白髪も目立っていた。
彼は、健康の問題についても、触れておこうと思った。
「特に壮年部の皆さんに申し上げたいことがあります。それは、くれぐれも体を大切にしていただきたいということなんです。
壮年になり、しかも、五十代、六十代となった場合には、心はいくら青年でも、体はそうはいきません。
したがって、『健康第一』を心がけてください。
そして、広宣流布のために、体を頑健にしてください。
また、必ずそうしていきますと、御本尊に強盛な祈りを捧げていくことです。
地涌の菩薩である大勢の会員を守り、仏法の偉大さを証明するためにも、皆さんには、健康であり続けていただきたい。
自分の体は、よく自分で調整し、人生を楽しみながら、生き抜いてほしいんです。
少し疲れたなと感じることがあるでしょう。
ちょっと早く休めば回復をするのに、私は信心強盛だから大丈夫だ!と言わんばかりに無理をしてしまう。
それは、心のどこかに見栄があるんです。
無理をした結果、ますます疲れがたまり、結局、半年、一年と寝込んでしまうということもあります。
たとえば、血圧が高いとします。その場合には、『信心で治す。医者には行かん』なんて言っていないで、速やかに医師の診察を受け、指示に従い、健康管理に努めるべきです。
もちろん、祈りは大事です。祈りを根本にすれば、医師は偉大なる諸天善神の働きをするからです。
でも、疲れ切った時には、題目三唱で終わらせることがあってもいいんです。
早期に休養を取れば、早く体力は回復します。そうなれば家族も苦しまなくてすむし、同志も安心します。
最も価値的に、知恵を働かせていくのが、仏法者なんです」