2014-07-18から1日間の記事一覧

求道30  2014年7月18日

山本伸一は、戸田城聖に、理路整然と自分の意見を述べていった。 「人材として大成していくうえで、最も重要なことは、使命に目覚めることではないでしょうか。 私たちには、地涌の菩薩として、すべての人を幸福にし、世界の平和を築く、広宣流布という大使…

求道29  2014年7月17日

戸田城聖は、本丸跡から仙台市街を望み、山本伸一に語った。 「伊達政宗は、幼少のころ、右眼を失明し、独眼竜と言われていたが、一方の目 で、未来を、世界を見ていたのだ。 彼の、この開明性と、家格より手腕を重視して人を取り立てたことが、藩を強化し、…

求道28  2014年7月16日

慶長十六年(一六一一年)十月、仙台をはじめ、北日本に地震が起こる。地震の被害は、それほど大きくはなかったが、大津波に襲われたのだ。 三陸地方では、津波の高さが二十メートルに達し、仙台平野は、瞬く間に波にのまれていった。 『駿府記』によれば、…

求道27  2014年7月15日

青葉城址の階段を上る戸田城聖の息は、次第に荒くなり、歩調が乱れ始めた。 山本伸一は、すぐに戸田の腕を取り、体を支えた。 師は弟子に身を委ねながらも、上機嫌で、本丸跡をめざした。 本丸跡は広場になっており、平服を着た伊達政宗のコンクリート像が立…

求道26  2014年7月14日

まだ、戦える。力ある限り、私は行動し続ける──五月二十八日夕刻、宮城県幹部会を 終えた山本伸一と峯子は、仙台市内の東北婦人会館を訪問した。 婦人部をはじめ、五十人ほどの代表との懇談会に出席するためであった。 この懇談のなかで伸一は、宮城県創価学…

求道25  2014年7月12日

山本伸一は、男子部の合唱団一人ひとりに、じっと視線を注ぎ、言葉をついだ。 「正式名称は『宮城無名合唱団』でどうだろうか。 諸君が社会で実証を示し、信頼を勝ち取って、偉くなり、有名になっていくことも大事です。しかし、それ自体が目的ではない。 根…

求道24  2014年7月11日

大航海には、当然、風雨も、波浪もある。人の生涯もまた同じである。 幹部になったとしても、人生にあっては、さまざまな困難に直面するものだ。病魔と闘い続けねばならぬこともあろう。事業に失敗したり、失業したりすることもあろう。家庭不和で悩むことも…

求道23  2014年7月10日

日蓮大聖人は「賢きを人と云いはかなきを畜といふ」(御書一一七四p)と仰せである。 人として生き、広宣流布を進めていくうえでも、必要なのは賢明さである。ましてや「創価」とは、価値創造を意味する。 ゆえに、日々、価値的に生きるための、創意、工夫を…

求道22  2014年7月9日

参加者は、真剣な表情で、山本伸一に求道の視線を注いでいた。 伸一は、場内を見渡した。青年時代に共に戦った多くの人たちの顔があった。 皆、幾筋もの皺が刻まれ、白髪も目立っていた。 彼は、健康の問題についても、触れておこうと思った。 「特に壮年部…

求道21  2014年7月8日

山本伸一は、言葉をついだ。 「師弟だけでなく、同志も、夫婦も、兄弟も、苦楽を共にしていくなかで結合の度を増 し、精神の美しき輝きを放っていきます。 創価学会の同志愛、団結の強さの要因も、そこにあるんです。 広宣流布の活動では、正念場となるよう…