求道30  2014年7月18日

山本伸一は、戸田城聖に、理路整然と自分の意見を述べていった。
「人材として大成していくうえで、最も重要なことは、使命に目覚めることではないでしょうか。
私たちには、地涌の菩薩として、すべての人を幸福にし、世界の平和を築く、広宣流布という大使命があります。
何よりも、その根本的な使命感に立つことが、自分の力を伸ばしていく最大の道であると感じています。
その自覚のもと、人生の目標を定めて、月々日々の課題に挑戦していくことだと思います。
自分の使命を知るならば、何事に対しても、生命の奥深くから、意欲が、情熱が、力が湧いてきます。
次に、向上の気概をもつことであると考えます。
今のままの自分で良しとし、挑戦をあきらめてしまうのではなく、『もっと自らを高めよう』『もっと前進しよう』という姿勢が大事であると思います。そ
こから、さまざまな創意工夫も生まれてきます。
さらに、辛抱強く耐え抜くことの大切さを痛感しております。どんなに才能があっても、力があっても、歳月をかけて修練を積み重ねていかなければ、それが開花することも、実を結ぶこともありません」
間髪を容れずに、戸田の声が響いた。
「そうだ! そうなんだよ、伸一!
第一に『使命の自覚』だ。これがないと、人生の根本目的がわからず、迷いが生じ、本当の力はでない。
反対に、使命を自覚した時に、最大の力を発揮していけるものだ。
第二に『向上心』だ。若芽が大地を突き破って、躍り出てくるように、伸びよう、挑戦しよう、前進しようという一途な心だよ。
向上しようという覇気のない者は、十代であろうが、二十代であろうが、青年とはいえない。青年とは、向上心の異名といえる。
第三に『忍耐』だよ。自分に内在する才能を磨き、輝かせていくには、長い間の修行や努力が必要だ。
それまでは、何があっても辛抱強く頑張り抜くことだ」