小説「新・人間革命」広宣譜20 2014年 12月10日

東北が生んだ文豪・高山樗牛は叫んだ。
「君、歌へ、大に歌へ。理想を歌ひ、人道を愛し、進歩を信じ、無窮に進む、是れ詩人たる君が天職也」(注)と。
七月八日付の「聖教新聞」には、壮年部の新部歌「人生の旅」の歌詞と楽譜が紹介された。
山本伸一が、八月二十四日の「部の日」をめざして進む壮年部の奮闘を期待し、部歌を作詞作曲して贈ったのである。
  
 一、彼の峰も あの坂も
   ああ幾山河 妻子と共に
   光求めて 苦楽を越えて
   いざや来たらんや 暁仰げば
  
 二、あの風も この雪も
   ああ幾歳か たどりたる
   今に厳たり この生命
   ああ鐘は鳴る 幸の城には
  
 三、彼の人も あの友も
   ああ幾百万 旭日に揃わなん
   元初の炎は 消えるなく
   讃え謳わなん 誉れの門出と
  
壮年は、一家の大黒柱である。社会の黄金柱である。
人生経験が豊富で、社会の信頼を勝ち取ってきた壮年が、地域建設に立ち上がる時、広宣流布は大きく加速していく。
日蓮大聖人御在世当時を見ても、富木常忍、大田乗明、曾谷教信らの壮年信徒が、門下の中心となり、地域広布を担ってきた。
壮年が、率先垂範で広宣流布を推進していってこそ、学会の重厚な力が発揮され、社会に深く根差した運動を展開していくことができるのだ。
たとえば、学会の最前線組織である各ブロックに壮年の精鋭五人が集い、団結のスクラムを築くならば、地域を支える堅固な新しい柱が立つ。そ
の柱が林立すれば、地域社会に、未来を開く創造と励ましのネットワークを広げることができよう。壮年の力で、足下から幸の園を開くのだ。