小説「新・人間革命」常楽19 2016年 1月23日
この死身弘法、殉教の歴史こそが、創価学会の精神の原点である。
「なんのために死ぬか」とは、裏返せば、「なんのために生きるか」ということにほかならない。二つは表裏一体である。
正法正義を守り抜いて殉教した師と、その遺志を受け継いで、生涯を広宣流布に捧げて戦い抜いた弟子――この二人を貫くものは、「死身弘法」の大精神であり、実践である。
しかし彼は、会長として、〝断じて殉教者を出すような状況をつくってはならない。
もしも殉難を余儀なくされるなら、私が一身に受けよう!〟と固く心に誓い、必死に操縦桿を握っていたのである。
だが、広宣流布を推進していくには、それぞれに死身弘法の覚悟が必要である。
その決定した一念に立ってこそ、一生成仏も、宿命を転換することもできるのだ。
死身弘法の覚悟とは、〝人生の根本目的は広布にあり〟と決めることだ。
そして、名聞名利のためではなく、人びとに仏法を教えるために、自らの生活、生き方をもって、御本尊の功力、仏法の真実を証明していくのだ。
広宣流布のために、〝健康になります。健康にしてください〟〝経済革命します。経済苦を乗り越えさせてください〟〝和楽の家庭を築きます。築かせてください〟と祈りに祈り、学会活動していくのだ。