【第15回】立正安国へ不屈の前進を  2015-5-28

日蓮大聖人は叫ばれた。
「各各師子王の心を取り出して・いかに人をどすともをづる事なかれ」(御書1190ページ)と。
この通りに師子王の心で「立正安国」に戦い抜かれたのが、先師・牧口先生であり、恩師・戸田先生である。
牧口先生は昭和18年(1943年)の5月、神札問題について、中野警察署
約1週間、留置され、取り調べを受けた。しかし一歩も退かず、その翌月には、軍部政府に迎合する宗門を峻厳に呵責されている。そして7月に戸田先生と共に投獄され、翌年の秋、獄中で殉教なされたのである。
昭和20年(1945年)の7月3日、不二の弟子・戸田先生は、同じ中野区にあった豊多摩刑務所から出獄された。
両先生の「死身弘法」「不惜身命」の大精神を偲びつつ、幾重にも共戦の歴史を刻む中野の文化会館を、妻と車で視察し、同志に題目を送った(25日)。
  
戸田先生の出獄の10日前、6月23日が「沖縄慰霊の日」である。あまりにも残酷な沖縄戦、そして広島、長崎への原爆投下──。
この地上から悲惨の二字をなくす先生の挑戦は、誰よりも苦しみ抜いた民衆と共にあった。その誓願を結実させるため、私は沖縄の天地で小説『人間革命』の執筆を開始したのだ。
沖縄から、全人類の宿命転換は始まる! 人間革命の勝利の太陽は昇る! 
 
かつて沖縄の同志と拝した御聖訓には仰せである。
「只肝要は此の経の信心を致し給い候はば現当の所願満足有る可く候」(同12
42ページ)
この御書には、二つの法華経の文が引かれている。一つは「魔及び魔民有りと雖も皆仏法を護る」(同ページ)、もう一つは「病即消滅して不老不死ならん」(同ページ)。
これこそ「大阪の戦い」で、私と関西の同志が生命に刻みつけた金言でもある。
広宣流布へ祈り戦う中で仏の生命力が滾々と脈打ってくる。題目の師子吼で病魔も退散させ、「更賜寿命」の実証を示していくのだ。
最極の正義に徹する我らには、必ず諸天が味方する。全てを仏法を護る働きに転じていけるのだ。
試練の時こそ題目である。「信心で勝つ!」──そう思い定めれば、勇気がみなぎり、智慧が湧き、無敵の突破力がほとばしる。創価の師弟の誇りも高く、立正安国へ不屈の前進を!