【第28回】 友情の連帯を地域へ世界へ (2016.10.31)

文化の秋、八王子の東京富士美術館では「漢字三千年」展が開催されている。
漢字の成り立ちにも光が当てられ、味わい深い。
たとえば「友」という字は、一説には、手と手を重ね合わせるさまを象り、心を通わせる仲間を指すようになったといわれる。
皆が手を取り合い、苦楽を分かち合って、価値を創造するのが、創価の結合だ。
 
いよいよ世界60カ国・地域のわが宝友たちが来日し、秋季研修会が開かれる。
いつも同志を温かく迎え、陰でこまやかに支えてくれる通訳や役員の方々の真心にも感謝は尽きない。
あらゆる差異を超えて、開かれた世界市民の友情を結び、平和の連帯を広げる。
ここに我らの世界宗教の生き生きとした躍動がある。
御書には「不軽菩薩の人を敬いしは・いかなる事ぞ教主釈尊の出世の本懐は人の振舞にて候いけるぞ」(1174ページ)と仰せである。
自他共の仏性を信ずるゆえに、いかなる人も軽んじない。一人との出会い。
一回の語らい。一つ一つを誠実に大切にする振る舞いに、仏縁が結ばれていくのだ。
  
今、創価班、牙城会、白蓮グループをはじめ、凜々しき青年部が仏法対話に励んでいる。これほど尊い地涌の青春はない。
戸田先生は言われた。
「友の幸せを祈り、妙法を語ることは、最高の友情だ。すぐに信心しなくても、必ず信頼が残る。
友のため、法のために悩むことは、衆生を救わんとする仏の悩みに通じているのだ」
目先の結果に一喜一憂することはない。今蒔いた種が、友の生命に幸福の花を咲かせる時が来る。
今の労苦が自身の生涯の土台となることを確信されたい。
 
反転攻勢の息吹の中、35年前の11月、第2総東京の総会で、そして関西総会で、愛する同志と「嗚呼黎明は近づけり」を大合唱したことが蘇る。
「君が愁いに 我は泣き 我が喜びに 君は舞う」(大阪高等学校全寮歌、作詞=沼間昌教)
この不二の絆がある限り、創価の正義は敗れない。 久遠の友といざや前進! 新たな「常勝の共戦譜」を!