小説「新・人間革命」 勝ち鬨 十四 2017年12月22日

四国研修道場で「香川の日」記念幹部会に出席した山本伸一は、引き続き、四国の首脳幹部らと打ち合わせを行った。
翌十一日も、フル回転の一日であった。研修道場に集って来たメンバーを激励し、高松市の勅使町に建設が進められている新四国文化会館を視察。
さらに隣接する高松講堂で、駆けつけた近隣の友と一緒に勤行し、ピアノを弾いて励ました。
研修道場に戻ると、職員や四国の首脳幹部との懇談会が待っていた。
「私は、四国で、創価の師子として再び広宣流布の指揮を執る宣言をしました。
ここから、新しい時代建設の幕を開きます。それは四国が、広宣流布魁の天地であるからです。
この黄金の歴史を、どうか忘れないでいただきたい。
その意義は、歳月とともに、ますます深く大きなものとなっていくでしょう」
伸一の言葉には、烈々たる気迫と確信が満ちあふれていた。
この十一日夜、四国各県の青年部長、男子部長が研修道場に集まり、翌日の伸一との懇談会を前に、打ち合わせがもたれた。
その席で一つの提案があった。
「明日の懇談では、山本先生に、四国青年部の意気込みをお見せし、これならば四国の未来は大丈夫だと、ご安心いただきたいと思います。
そのために、私たちの決意と心意気を託した愛唱歌を作り、先生にお聴きいただきたいと思うが、どうだろうか」
皆、大賛成であった。
「この歌は、みんなで力を合わせて作ることが大事なので、それぞれ、これは、ぜひ歌詞に入れたいという言葉を言ってください」
皆が、「青春の汗」や「この道」など、思いつくままにあげる言葉が、ホワイトボードに書き出されていった。
それをもとに、作詞に取りかかり、明け方近く、四行詞で三番までの四国男子部歌の歌詞ができあがった。皆、真剣であった。
青年の魅力とは一途さであり、それが不可能の壁を打ち破り、新しき道を開くのだ。