小説「新・人間革命」 勝ち鬨 四十 2018年1月25日
長い詩であった。読み上げる青年の声は、かすれながらも、気迫に満ちていた。
「真実の充実しきった意義ある人生には、真実の偉大な仏法と信仰が必要なのである。
君達の最高の誇りは日蓮大聖人の仏法を持ち、青春を乱舞しぬいているということにつきることを知らねばならない。
二十一世紀の山は近い……」
「二十一世紀は全てが君達のものだ。君達の暁であり檜舞台である。君達が存分に活躍しゆく総仕上げの大舞台である。
二〇〇一年五月三日──この日が私共のそして君達の大いなる目標登はんの日であるといってよい。
広布第二幕の勝負は、この時で決せられることを忘れないでほしいのだ」
やがて朗読は終わった。詩のタイトルは「青年よ 二十一世紀の広布の山を登れ」である。
大きな、大きな拍手が沸き起こり、いつまでも、いつまでも鳴りやまなかった。
師弟の大道に生き抜く誓いの拍手であった。創価の青年たちの堂々たる旅立ちであった。
拍手が収まると、伸一は語った。
「この詩は、明日の『聖教新聞』に、全文掲載してもらう予定です。この大分の地から、全国に発信します。その意義を、深く心に刻んでいただきたい。
また、今日、ここに集った男子部で『大分男子二十一世紀会』を、女子部で『大分女子二十
一世紀会』を結成したいと思うが、どうだろうか!」
またしても、喜びにあふれた賛同の拍手が広がった。創価の正義を叫び、貫き、邪悪に勝利した青年たちの生命は躍動し、その胸には紅の大情熱がたぎっていた。
「正義とは正しい者が勝つことだ」(注)とは、文豪ロマン・ロランの言葉である。
小説『新・人間革命』の引用文献