小説「新・人間革命」 勝ち鬨 五十四 2018年2月12日

山本伸一は、イギリスの首相チャーチルの姿を通し、指導者の在り方を語っていった。
第二次世界大戦中、ヒトラーナチス・ドイツは、イギリスの首都ロンドンを爆撃した。
焼け跡に現れたチャーチルは、悠々と葉巻をくわえ、指でVの字をつくって歩いた。
その姿に、人びとは勇気づけられた。
チャーチルには、こんなことでロンドンは滅びない! イギリスは負けたりはしない!という強い一念があった。
その心意気を、多くのロンドン市民は感じ取り、奮い立っていった。
一念は波動し、確信は共鳴し、勇気は燃え広がるんです。
また、ヒトラーのやり口を見た市民たちには、ヒトラーは異常な破壊者である。
そんな人間が支配するナチス・ドイツに、断じて負けるわけにはいかない!という強い思いがあった。
それは、平和を欲する良識からの、正義の炎であったといってよい。
今、正義の学会を攻撃し、破壊しようとする者もまた、
いかに巧妙に善を装おうとも、常軌を逸した卑劣な正法の破壊者です。
私たちは、その悪を鋭く見破り、断じて勝たなければならない。
それなくして、広布の道を開くことはできないからです。
リーダーである皆さんは、いかなる大難があろうが、巌のごとき信念で、絶対に勝つという強い一念で、悠々と、堂々と、使命の道を突き進んでください。
その姿に接して、会員は、皆、安心し、勇気をもつからです。
リーダーには、次の要件が求められます。
『信念と確信の強い人でなければならない。
誠実で魅力ある人でなければならない。
さらに、健康でなければならない。
常に生き生きと指揮を執り、リズム正しい生活であるように留意すべきである。
仕事で、職場で、光った存在でなければならない。
社会での実証は、指導力の輝きとなっていくからである。
指導にあたっては、常に平等で、良識的でなくてはならない』
以上を、心に刻んで進んでいただきたい」