2015-08-13から1日間の記事一覧

小説「新・人間革命」 勝利島 21 2015年8月13日

佐田太一は、疑問をいだき続けてきた。 「自分は、青年時代から、人一倍、強い信仰心をもち、いろいろな信心をしてきた。 自分ほど真面目に信仰に励んできた者はいないとさえ自負している。 ところが、災厄が次々と襲い、食うや食わずの生活を送らねばなら…

小説「新・人間革命」 勝利島 20 2015年8月12日

網元であった佐田太一の父もまた、信心深い人であった。 竜神堂を建てたり、地蔵を造らせたりした。 また、漁師たちにも、何でもいいから信仰をもつように勧めた。 それが、最高の善行であると信じていたのだ。 佐田自身も、その父の影響を強く受けて育った…

小説「新・人間革命」勝利島19 2015年 8月11日

北海道の札幌から鉄路二百十五キロ、北海道北部の西海岸にある羽幌に出る。 かつては炭鉱の町として栄えたところである。 さらに、そこから西へ海路約三十キロ、日本海に浮かぶ周囲約十二キロの島が、「オロロンの島」として知られる天売島である。 オロロン…

小説「新・人間革命」勝利島18 2015年 8月10日

田山広介は、炭鉱会社の労務担当者たちを前に、「学会は、いかなる宗教なのか」「何をめざしているのか」などについて、諄々と話した。 労務担当者たちの態度も表情も、次第に変わっていくのがわかった。 頷きながら、話を聴いている人もいた。 労務担当の責…