2013-01-13から1日間の記事一覧

小説「新・人間革命」 2013年 1月12日 法旗 33

万人に仏性があると確信する不軽菩薩は、迫害を覚悟のうえで二十四文字の法華経を説いた。 「我れは深く汝等を敬い、敢て軽慢せず。所以は何ん、汝等は皆な菩薩の道を行じて、当に作仏することを得べし」(法華経五五七ページ)と、礼拝・讃歎して歩いたので…

小説「新・人間革命」 2013年 1月11日 法旗 32

妙法を信じ切れないと、世間の法、つまり相対的なものの見方、考え方に陥っていく。 社会では、高い地位に就いた人や、権力、財力を手にした人が、周囲の人を蔑むことが少なくない。 反対に、自分より地位や権力、財力などがある人に対しては、ねたみや恨み…

小説「新・人間革命」 2013年 1月10日 法旗 31

創価学会の原点は、「われ地涌の菩薩なり」との、戸田城聖の獄中の悟達にある。 地涌の菩薩は、末法濁世の社会のあらゆるところで、それぞれがあるがままの姿で正法を弘め、仏法を行じていく。 この地涌の使命を自覚し、自分自身が今いる場所で、広宣流 布の…

小説「新・人間革命」 2013年 1月9日 法旗 30

十七日の夕方、山本伸一は、愛媛文化会館での県幹部会に出席した。 幹部会に彩りを添えたのは、婦人部と女子部の合唱団であった。 「厚田村」「熱原の三烈士」、そして「愛媛家族の歌」を披露すると、伸一は、盛んに拍手を送りながら言った。 「すごいね。日…

小説「新・人間革命」 2013年 1月8日 法旗 29

愛媛指導の二日目の朝、山本伸一が最初に顔を出したのが、愛媛文化会館の管理者室であった。 陰で黙々と会館を支えてくれている人にこそ、何度も会い、最大に讃え、励ましたかったのである。 昼前には、婦人部の幹部と活動の進め方などについて語り合ったあ…

小説「新・人間革命」 2013年 1月7日 法旗 28

県男子部長の木林周作の妻が、大声で泣く子どもを、一生懸命にあやしていた。彼女は、伸一を見ると、恐縮して頭を下げた。 「いいんです。赤ん坊は、泣くのが仕事のようなものですから。元気に育つよ」 部屋には、県事務長の妻で、会館の管理をしている築地…

小説「新・人間革命」 2013年 1月5日 法旗 27

愛媛県最高協議会での山本伸一の指導は、極めて具体的であった。 それは、一見、細かいことのように思えたかもしれないが、抽象的な話では、真意が伝わらないことが多いからだ。 指導は具体的であることが大切である。 協議会のあと、伸一は、愛媛文化会館の…

小説「新・人間革命」 2013年 1月4日 法旗 26

山本伸一は、心躍らせながら、愛媛文化会館内での県最高協議会に出席した。 彼は、県幹部育成のために、懸命に指導していった。 「いかなる社会、団体もそうですが、特に広宣流布を目的とする私たちは、連絡・報告は速やかでなければなりません。 学会の組織…