2013-01-27から1日間の記事一覧

小説「新・人間革命」 2013年 1月26日 法旗45

学会員の友人は、病を克服するための根源の力は、人間の生命力にあると言い、それを引き出す方法を示しているのが仏法であると訴えた。 さらに話は、宿命に及んだ。 岩田サワは、ハッとした。いちばん疑問に感じていたことであったからだ。 「自分が自覚して…

小説「新・人間革命」 2013年 1月25日 法旗44

粟粒結核症で自宅療養を続ける岩田サワの蓄えは、次第に底を突き始めた。 〝これから、どうなってしまうのか……〟 病の床にあって、〝不安〟の闇に怯えながら、身の不運を呪った。〝不安〟は、やがて、〝絶望〟の淵へと彼女を追いやっていった。 〝死んだ方が…

小説「新・人間革命」 2013年 1月24日 法旗43

松山支部結成十八周年の記念勤行会が始まった。勤行、幹部指導のあと、司会者が、「松山支部の草創の功労者に、花束の贈呈があります」と告げた。 山本伸一は、自ら花束を手にした。最初に贈られたのは、初代の支部婦人部長を務めた岩田サワであった。 くよ…

小説「新・人間革命」 2013年 1月23日 法旗42

山本伸一は、羽生直一の言葉に、「喜捨」の心を感じた。羽生は、法のため、学会のため、同志のために、多くの私財と労力を、喜び勇んで投じてきたのであろう。 行為は同じでも、大切なのは心である。 “広宣流布のためならば、なんでもやらせていただこう! …

小説「新・人間革命」 2013年 1月22日 法旗41

羽生直一は、仕事では〝お客様へのきめ細かな対応〟を心がけてきた。学会活動でも、それを実践した。 たとえば、日々の活動が忙しいと、病魔と闘っている人などへの激励は、後回しになりがちになっていると感じた彼は、そうした同志への激励の日を設けること…

小説「新・人間革命」 2013年 1月21日 法旗40

一九六三年(昭和三十八年)十一月、愛媛県初の会館として松山会館が完成し、会長・山本伸一が出席して、落成入仏式が行われた折のことである。 その席で伸一は、学会の会館は、「人材をつくる城」であり、「民衆救済の城」であり、「慈悲の城」であると力説…