2014-08-30から1日間の記事一覧

【第24回】正法伝持の人は「国宝」(2014.8.16)

伝持の人無れば猶木石《もくせき》の衣鉢《えはつ》を帯持《たいじ》せるが如し(顕仏未来記、508㌻) 通解 (経典があっても)仏法を持《たも》ち、伝えていく人がいないので、それはちょうど木像や石像が法衣を着て、鉢を持っているようなもので、何の役に…

【第23回】「孝養第一」の振る舞い 2014.8.8

今年は又七月《ふづき》一日《ついたち》身延山に登りて慈父のはかを拝見す、子にすぎたる財《たから》なし・子にすぎたる財なし(千日尼御返事、1322㌻) 通解 (あなたの子息・藤九郎守綱《もりつな》が)今年もまた7月1日に身延山に登って、慈父(阿仏…

【第22回】油断排し、絶対無事故で  2014.8.6

家へかへらんにはさき《前》に人を入れてと《戸》のわき《側》はし《橋》のした《下》むまや《厩》のしり・たかどの《高殿》一切くらきところを・みせて入るべし(四条金吾殿御返事、1175㌻) 通解 家に帰る時には、先に人を館《やかた》に入れて戸の脇、橋…

求道64  2014年8月28日

創価学会に入会した母親の谷沢千秋は、息子の徳敬以上に、真剣に信心に励んだ。 彼女は、秋田県の生まれで、幼少期に両親と共に北海道へ渡った。 小樽、函館、札幌などを転々とした。 十三歳の時に両親と生き別れになり、北見の親戚の家に身を寄せた。 愛情…

求道63  2014年8月27日

谷沢千秋の子息・徳敬は、四十代半ばの壮年であった。 初夏の太陽が照りつける国道を見ながら、ワイシャツ姿で雑貨店の店番をしていた。 すると、乗用車が止まった。一人の男性が息を弾ませて駆けてきた。 顔見知りの北海道長の高野孝作であった。 「谷沢さ…

求道62  2014年8月26日

勤行会を終えた山本伸一は、直ちに車で北海道研修道場を出発した。 札幌に戻るため、再び百四十キロの道のりを、釧路空港へと走った。 海岸沿いの国道に出ると、北方四島の一つである国後島が見えた。 沖縄本島よりも大きな島で、標津から二十四キロほどの距…