2015-07-06から1日間の記事一覧

小説「新・人間革命」 革心56 2015年 7月4日

歓迎宴は、和気あいあいとした雰囲気のなか、各テーブルで語らいが始まった。 山本伸一は、鄧穎超に尋ねた。 「『日中平和友好条約』の批准書交換のために、廖承志先生が、副総理の鄧小平閣下と共に来日されると伺っています。大変に嬉しいことです。 鄧穎超…

小説「新・人間革命」 革心55 2015年 7月3日

歓迎宴が始まった。 主催者である中日友好協会の廖承志会長があいさつに立った。 彼は、中国と日本の平和友好条約締結の佳節に訪中団を迎えた喜びを伝えたあと、両国の友好関係は新しいスタートラインに立ったとして、感慨を込めて語った。 「この時にあたり…

小説「新・人間革命」 革心54 2015年 7月2日

「山本先生! 嬉しいです。お会いできる日を、指折り数えて待っていました!」 九月十七日夜、訪中団一行の歓迎宴が行われる人民大会堂の会場入り口で、中日友好協会の廖承志会長は、こう言って大きく両手を広げ、山本伸一を迎えた。 「廖先生! 『日中平和…

小説「新・人間革命」 革心53 2015年 7月1日

趙樸初副会長の話に、山本伸一は頷いた。 「おっしゃる通りです。仏の真意は何かを正しく知らなければ、混乱を招きます」 趙樸初は、ニッコリして言った。 「その点、創価学会の皆さん方は、仏法を正しく理解しています。 それは、民衆のなかに、仏法を展開…

小説「新・人間革命」 革心52 2015年 6月30日

山本伸一たち訪中団一行が、南京から北京空港に到着したのは、午後七時四十分(現地時間)であった。 秋冷えのするなか、空港では、中日友好協会の張香山・趙樸初副会長、廖承志会長の夫人である経普椿理事をはじめ、多数の「友人」が出迎えてくれた。 既に…

小説「新・人間革命」 革心51 2015年 6月29日

廖仲愷が国民党の右派によって暗殺された時、子息の廖承志は十六歳であった。 仲愷の妻・何香凝は、自宅の門に「精神不死」(肉体は殺せても、精神を殺すことはできない)との横幕を掲げて抗議し、毅然として新中国の建設のために戦い抜いた。 その彼女の闘…