2015-07-20から1日間の記事一覧

小説「新・人間革命」 革心68 2015年 7月20日

答礼宴は、感動のなかに幕を閉じた。 山本伸一は、帰途に就く一人ひとりと握手し、再会を約した。峯子も隣で、満面の笑みで御礼の言葉を述べ、見送っていた。 鄧穎超は、その峯子の手を、何度も強く握り、じっと目を見つめながら語った。 「今日は本当にあり…

小説「新・人間革命」 革心67 2015年 7月18日

答礼宴の最後に、訪中団が、心からの感謝の気持ちを込めて、日本語で「愛する中国の歌」と、中国語で「春が来た」を合唱した。 歌のあとで山本伸一は、鄧穎超に言った。 「明春、桜の満開のころ、鄧穎超先生が日本に来られることをお待ちしています」 大き…

小説「新・人間革命」 革心66 2015年 7月17日

鄧穎超は、周志英が香港の出身であると聞くと、広東語で話し始めた。 周恩来と結婚したあと、広東省で活動した経験をもつ彼女は、広東語も堪能であったのだ。 母国語でない北京語と日本語を駆使して通訳に奮闘してきた周志英にとって、広東語を使えることで…

小説「新・人間革命」 革心65 2015年 7月16日

食事の途中、廖承志会長の夫人・経普椿が、そっと夫に薬を渡した。鄧穎超は、その様子を温かい目で見つめた。 「廖承志は、良い?看護婦?がついていて幸せですね」 すると、経普椿が言った。 「実は、いつも、ちゃんと薬を渡しているのに、帰って来たあとに…

小説「新・人間革命」 革心64 2015年 7月15日

答礼宴のあいさつで、山本伸一は、関係者の厚情に包まれ、実り多き九日間を送れたことに謝意を表し、話を続けた。 「今回、私どもは、多くの人民の生き生きとした姿のなかに、『四つの現代化』へのたくましい前進と、それが見事に結実していく様子を見ること…

小説「新・人間革命」 革心63 2015年 7月14日

李先念副主席との会見が行われた十九日の午後六時半、中国側の関係者を招待して、山本伸一主催の答礼宴が開かれた。 会場は、故宮博物院の北西に位置する北海公園の瓊華島にあるレストラン「ホウ膳飯荘」であった。 北海公園は、現存する中国最古の宮廷庭園…