2014-05-17から1日間の記事一覧

激闘47  2014年5月16日

宮中直子が入会したのは、一九六二年(昭和三十七年)のことであった。信心によって事業の倒産の危機を乗り越えた自分の両親から、学会の話を聞かされたのだ。 彼女は、信心をする気など全くなかった。 母親は、「人生には福運が大事よ。その福運を積むには…

激闘46  2014年5月15日

宮中家を訪問した山本伸一と峯子は、仏間になっている和室に通された。 伸一は、家族の一人ひとりに声をかけ、報告に耳を傾けていった。 主の宮中栄蔵は、この家は檜造りであり、木を切り出すところから、綿密に計画して建てたことを伝えた。 「そうですか。…

激闘45  2014年5月14日

山本伸一は、懐かしさを覚えながら、鹿児島会館の館内を視察した。そのあと、県の幹部らと勤行し、指導会をもった。 「九州は、日本列島四大島の南にあり、鹿児島県は、さらにその南端にあります。 ゆえに鹿児島の皆さんは、「広宣流布の新潮流は、常にわが…

激闘44  2014年5月13日

山本伸一は、日蓮大聖人の仏法に基づく考え方、生き方は、普遍であり、時代、社会をリードする規範となることを語っていった。 「私は、かつて、牧口先生を知る先輩方から伺った一つに、こんな話がありました。 戦時中、入営や出征することになった人に対し…

激闘43  2014年5月12日

山本伸一が出席して鹿児島会館落成の式典が開かれたのは、一九六三年(昭和三十八年)十一月二十三日午前のことであった。 会館は、眼前に錦江湾が広がり、噴煙を上げる桜島を望む風光明媚な地にあった。 約七百平方メートルの敷地に立つ、延べ面積約四百五…

激闘42  2014年5月10日

利安真吉は、真剣な目で、何度も頷きながら、山本伸一の話を聴いていた。 伸一は言った。 「それで、鹿児島県総会はいつにしますか」 利安は、口ごもりながら答えた。 「はあ、総会ですから……、年内ですと、秋ごろでしょうか」 すかさず、伸一は言った。 「…