2012-02-26から1日間の記事一覧

小説「新・人間革命」 薫風 24 2012年 2月25日

田部忠司は、北九州文化会館の「会館守る会」の責任者であった。このグループは、会館の美化や清掃等に携わる有志の集いである。 前日の二十三日の夜、その任務のため会館に来ていた田部は、山本伸一と言葉を交わす機会があった。 その時、田部は、小倉南区…

小説「新・人間革命」 薫風 23 2012年 2月24日

山本伸一は、さらに、「人のをやは悪人なれども子・善人なれば・をやの罪ゆるす事あり、又子悪人なれども親善人なれば子の罪ゆるさるる事あり……」(御書九三一p)の御文を引き、追善回向について語っていった。 「親子、家族の絆は強い。成仏のためには、生…

小説「新・人間革命」 薫風 22 2012年 2月23日

福富淳之介の歯科医院は、茶色のタイル張りの外壁で、二階建ての建物であった。同行の幹部に山本伸一は言った。 「立派な造りだね。よかった。 三賀君の歯科医院には行けないが、よろしく言ってください」 伸一は、彼らの成長と勝利を、いつまでも見守ってい…

小説「新・人間革命」 薫風 21 2012年 2月22日

翌五月二十三日の午後一時、山本伸一は、北九州創価学会の支部結成十七周年を記念する勤行会に出席した。 伸一の会長就任式となった、一九六〇年(昭和三十五年)五月三日の本部総会の席上、北九州創価学会の淵源となる、八幡支部と筑豊支部が結成され、十七…

小説「新・人間革命」 薫風 20 2012年 2月21日

九州歯科大学の学生であった三人の青年たちは、入会後、両親に、幸せになってほしいとの思いを強くしていった。 彼らは、両親の入会を真剣に祈るとともに、気遣いを大切にしてきた。帰省する時には、感謝の思いを込めて、アルバイトでためたお金で土産を買っ…

小説「新・人間革命」 薫風 19 2012年 2月20日

山本伸一は、大内堀義人に言った。 「研究者のなかには、ともすると、独り善がりになり、自分が、いちばん偉いように思ってしまう人がいる。 すると、研究面でも、視野が狭くなり、伸びていかなくなってしまうものです。すべての人から学んでいこうという、…

小説「新・人間革命」 薫風 18 2012年 2月18日

大内堀義人は、山本伸一に語った。 「私は、現在、母校の九州歯科大学で助手をしております。大学卒業後、炭鉱の病院に勤めておりましたが、炭鉱の閉山にともない、病院も閉院したため、大学に戻りました。 今後の進路として、このまま母校で研究・教育の道…