2010-05-17から1日間の記事一覧

小説「新・人間革命」 5月 3日 勇気38

「新しい学会歌が必要だ。タイトルは『人間革命の歌』にしよう」 七月一日、東京・上野の美術館で開催されている「第三文明展」に向かう車中、山本伸一は、同乗していた二人の幹部に語った。 二人は、「はあ」と答えたものの、キョトンとした顔をしている。 …

小説「新・人間革命」 5月15日 勇気37

山本伸一は、世界の平和を築くために、イデオロギーの壁を超え、友誼と信頼の道を開こうと必死であった。 しかし、偏狭な心の眼では、その真実を見ることができなかったのであろう。そして、彼は、攻撃のターゲットになったのだ。 また、宗門の僧たちが、学…

小説「新・人間革命」 5月 14日 勇気36

戸田城聖が「独房吟」として詠んだ、「学会の歌」の四番から七番の歌詞は、まさに、学会の骨格をなす、戸田の精神そのものであり、厳粛な内容であった。 戸田は、この部分を歌うことを禁じた時期もあった。歌の本当の心がわからずして、軽々に歌うことを許さ…

小説「新・人間革命」 5月 14日 勇気36

戸田城聖が「独房吟」として詠んだ、「学会の歌」の四番から七番の歌詞は、まさに、学会の骨格をなす、戸田の精神そのものであり、厳粛な内容であった。 戸田は、この部分を歌うことを禁じた時期もあった。歌の本当の心がわからずして、軽々に歌うことを許さ…

小説「新・人間革命」 5月 13日 勇気35

山本伸一が、「人間革命の歌」を作ろうと決意したのは、六月の末のことであった。 彼は、以前から、創価学会の精神と思想を表現した、創価学会の歌ともいうべきものが必要であると考えていた。 学会には、草創期に歌われてきた、「学会の歌」と呼ばれ、愛唱…

小説「新・人間革命」 5月 12日 勇気34

山本伸一が出獄し、関西の同志と共に創価の正義の勝利を誓い合った「7・17」は、権力の魔性との闘争宣言の日であり、人間革命への誇らかな旅立ちの日である。 ゆえに、伸一は、以来二十年目を迎える、この一九七六年(昭和五十一年)の「7・17」を記念…

小説「新・人間革命」 5月 11日 勇気33

参議院大阪地方区の補欠選挙で、東京から乗り込んできた会員が引き起こした選挙違反事件は、支援の最高責任者である山本伸一とは、なんの関係もなかった。 検察当局も、捜査が進むにつれて、その事実を認めざるを得なかったようだ。 伸一の起訴にあたっては…

小説「新・人間革命」 5月 10日 勇気32

ひとたびは一身に罪を被り、法廷で正義を証明しようと決意した山本伸一が、大阪拘置所を出たのが、一九五七年(昭和三十二年)の七月十七日であった。若師子は、民衆の大地に、再び放たれたのだ。 この日の夕刻、中之島の大阪市中央公会堂で、大阪大会が行わ…

小説「新・人間革命」  2010年 5月8日  勇気31

山本伸一の師子奮迅の指揮によって、大阪の同志は、一騎当千の師子となって立った。暗夜のような状況に、希望の光が差し、時々刻々と明るさを増していった。 しかし、選挙戦の終盤、候補者の名前を書いた バコを配るなどの、選挙違反事件が大々的に報じられ…