2010-10-31から1日間の記事一覧

【第4回】 失敗は終わりではない 2010-10-23

池田 両親は、ショーターさんを信じて、愛情深く見守っておられたのですね。その親心を察するとともに、両親に申し訳ないと反省するショーターさんの心を汲んで、学校の先生は新しいチャンスを開いてくださった。 私も、創価学園の草創期、進級が危ぶまれて…

【第4回】 失敗は終わりではない ㊤2010-10-23

苦しみも楽しみに変えられる! SGI会長 音楽は「若き心の戦友」「戦う魂の盟友」 ハンコック氏 人生は自他共のコラボレーション ショーター氏 進歩、前進、向上の喜びを分かち合う 池田 20年前の10月、人権の大英雄マンデラ氏を、私は多くの青年たちの歌…

【第3回】 生命尊厳の響き ㊦  2010-10-9

ハンコック アフリカ系アメリカ人は、奴隷制によって、身にまとった装飾品こそ、はぎ取られましたが、その心臓部は切り取られませんでした。これは、特筆すべきことです。そこからブルース、ゴスペルが生まれ、さらにジャズが生まれていきました。 そして、…

【第3回】 生命尊厳の響き   2010-10-9

万人の心を太陽の方向へ! SGI会長 文化は人間を絶望から救う闘争 ハンコック氏 精神の力は苦難をも歓喜の詩に ショーター氏 諦めより意欲を蘇らせる演奏を 池田 音楽は心を結ぶ。命を開きます。音楽ほど、いかなる差異も瞬時に超えて、魂の一体感を生み…

【第2回】 出会いの共鳴 ㊦   2010-9-18

池田 恐縮の限りです。また、壮大な創作のスケールに感嘆します。ギリシャ神話に登場するプロメテウスは、独裁者ゼウスの怒りを買い、岩に鎖で縛られる。 なぜか──人類に「火」を与え、「言葉」を与え、「音楽」を与え、「文化」を与えたからです。民衆が賢…

【第2回】 出会いの共鳴 ㊤   2010-9-18

人生は「人間への信頼」の芸術 SGI会長 常に「いよいよ、これから」と前進を ハンコック氏 「師のため」「友のため」が創造の源 ショーター氏 「民衆こそ偉大」の哲学から触発 池田 嬉しいことに、ショーターさん、ハンコックさんたちに続き、アメリカ青…

【第37回】 青春の古戦場 山口  2010-10-22

「弟子が勝つ」使命の舞台 関門橋から見下ろす海峡は、晩秋の陽の光を映して眩しいほどに輝いていた。 「いよいよ山口だね」 池田名誉会長が言った。 車の窓をいっぱいに開けて、懐かしい山河にカメラを向けた。 平成6年(1994年)11月25日午後2時…

小説「新・人間革命」 母の詩 25 10月30日

山本伸一は、落下傘で降りてきた米軍の若い兵士がどうなったか、大人たちに聞いた。 ――米兵の青年は、集まって来た人びとに、棒でさんざん殴られたあと、やって来た憲兵に目隠しをされて、連行されたとのことであった。 伸一は、敵兵とはいえ、胸が痛んだ。 …

小説「新・人間革命」 母の詩 24 10月29日

山本伸一の、母の思い出は尽きなかった。 終戦の年となる一九四五年(昭和二十年)の春のことであった。それまで住んでいた蒲田区糀谷(当時)にあった家が、空襲による類焼を防ぐために取り壊しが決まり、強制疎開させられることになった。 やむなく近くの…

小説「新・人間革命」 母の詩 23 10月28日

潮の干満の時刻によって異なるが、海苔を採取するには、午前二時か三時には起床し、朝食をとってから仕事を始める。その食事のしたくをするために、母の幸は、皆より早く、午前一時か二時には起きねばならない。 朝食の後片付けを手早くすませ、母は海苔採り…

小説「新・人間革命」 母の詩 22 10月27日

山本伸一は、横たわる、母・幸の手を、握り締めた。母も、彼の手を握り返そうとしているようであったが、指先が動くだけで、力は感じられなかった。 彼は、持参してきた花束や、母を知る同志からの見舞いの品々を見せ、枕元に置いた。 「ありがとう……」と言…

小説「新・人間革命」 母の詩 21 10月26日

山本伸一は、さらに力を込めて訴えた。 「今こそ、人類は、『人間』という原点に返り、政治優先主義、経済優先主義から、人間性の発露である、文化の復興を優先しなければなりません。 全人類は、人間文化の復興を希求しています。戦争という武力の対極に立…

小説「新・人間革命」 母の詩 20 10月25日

東京文化祭は、フィナーレを迎えた。 舞台正面には、「人間革命光あれ」の文字が、鮮やかに浮かび上がり、頬を紅潮させた出演者が、舞台を埋めた。 高らかに手拍子が鳴り響き、「人間革命の歌」の大合唱が始まった。山本伸一も席から立って、マイクを手に、…