2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

小説「新・人間革命」 灯台 27 5月21日

山本伸一の心に呼応するかのように、農村部のメンバーは、農村の活性化が、新しい時代を開く力になると自覚し、さまざまな活動を積極的に推進していった。 一九七四年(昭和四十九年)二月には、茨城県の水戸会館(当時)で、初の「農業講座」を開催した。 …

小説「新・人間革命」 灯台 26 5月20日

米が余剰になったことから、政府は、古米の在庫処理の一方、価格も自由に決めて売買できる、自主流通制度を導入した。また、生産調整を行うために、新田開発を抑制し、野菜などへの作付け転換を進めたのだ。 農家は減収となった。農業だけでは暮らしが成り立…

小説「新・人間革命」 灯台 25 5月19日

日本政府は、穀物の世界的な高騰への対応策として、麦や大豆などに生産奨励金を支払い、国内生産を拡大することや、輸入先の多元化、輸入穀物の備蓄などを打ち出した。 こうした事態に対して、これまでの日本の農業政策を疑問視する声も起こっていった。 戦…

小説「新・人間革命」 灯台 24 5月18日

山本伸一は、社会部のみならず、地域、社会に根を張る社会本部の各部メンバーを、徹底して激励しようと、深く心に決めていた。その人たちこそが、広宣流布という社会の繁栄を実現していく原動力となるからだ。 二月十七日、伸一は、全国の農村部、団地部の代…

小説「新・人間革命」 灯台 23 5月17日

情熱を傾け、奮闘する青年には、生命の輝きがある。その光彩が、人を引き付ける。 仕事に、学会活動に、懸命に頑張る波留徳一を見て、学会の組織では後輩たちが立ち上がり、団結して活動を進めてくれた。また、教学試験が近づくと、壮年部の幹部が、個人教授…

小説「新・人間革命」 灯台 22 5月16日

波留徳一は、学会の先輩の激励に、〝よし、もう一度、本気になって信心してみよう〟と思った。 時間をこじ開けるようにして唱題に励み、学会活動に飛び出した。広宣流布の使命に目覚めると、歓喜があふれ、仕事への挑戦の意欲がみなぎった。自信も取り戻した…

小説「新・人間革命」 灯台 21 5月14日

後に大手スーパーの常務取締役となる波留徳一も、仕事と学会活動の両立で、苦闘し続けてきた一人であった。 山本伸一が出席して、社会部の勤行集会が行われた一九七七年(昭和五十二年)二月、三十九歳の波留は、店舗施設部長代理の要職にあり、学会にあって…

小説「新・人間革命」 灯台 20 5月13日

大路直行は、工藤重男の話を聞いて、仕事に対する自分の甘さを痛感した。考えてみれば、営業で一日に回る訪問軒数も、たいてい五、六十軒で終わっている。 また、訪問して、すげなく断られたりすれば、脈はないものと考え、二度と行こうとはしなかった。大路…

小説「新・人間革命」 灯台 19 5月12日

工藤重男は、自分の体験をもとに、セールスの基本姿勢について語った。 「私は、セールスの基本は、一人の人間として、お客様の信頼を勝ち取ることだと思っているんです。そのために、〝このお客様のために何ができるか。どんな力になれるのか〟を、いつも考…

小説「新・人間革命」 灯台 18 5月11日

山本伸一が出席しての社会部勤行集会は、社会部員の自覚を一段と深めた。職場ごとのグループ座談会にも力がこもった。また、彼の指導は、各企業等で働く学会員に、大きな勇気の光源となった。 大路直行は、大手自動車販売会社の、都心にある営業所に勤める青…

小説「新・人間革命」 灯台 17 5月10日

智慧の眼を開き、新しい視点で物事を見る時、新しい世界が開かれる。この智慧の眼を開く力こそ、仏法である。 中山勇は、経理という仕事を、単に数字を扱う事務作業とは考えず、経営管理ととらえていた。その視点で数字を見ると、会社の問題点もわかり、未来…

小説「新・人間革命」 灯台 16 5月9日

中山勇は、経理の専門学校に通い始めたものの、経理の知識が皆無なため、戸惑うことばかりであった。 夜学で机を並べる人の多くは、税理士や公認会計士をめざす、三十代、四十代の人たちである。最初は、とても、ついていけそうもないと思った。 彼は、自分…

小説「新・人間革命」 灯台 15 5月7日

人は、往々にして、自分を見ている周囲の視線に気づかぬものだ。また、手抜きをしても、要領よく立ち回れば、うまくいくかのように思ってしまう人もいる。 だが、それは、浅はか極まりない考えである。信頼という、人間として、社会人として、最も大切な宝を…

小説「新・人間革命」 灯台 14 5月5日

美術・工芸品の管理に当たる代田裕子は、唱題を重ねながら、山本伸一の「仕事を仏道修行であると思って、自分を磨いていくのだ」との指導を、何度もかみしめてきた。 ある時、職場の上司が、彼女に語った。 「ヨーロッパの貴族のなかには、本当に大切な工芸…

小説「新・人間革命」 灯台 13 5月4日

山本伸一が出席して行われた、東京社会部の勤行集会は、皆が職場の勝利者をめざす決意を、一段と固め合う集いとなった。 ある大手デパートの美術品部門で働く女子部員の代田裕子は、〝職場で勝利の実証を示し、山本先生に報告できる自分になろう〟と、心に誓…

小説「新・人間革命」 灯台 12 5月3日

仏法は、生活法である。 社会にあって信頼を勝ち得、職場で勝利の実証を打ち立てていくことが、そのまま人生の勝利へ、仏法の勝利へとつながっていくのだ。 したがって、社会で、はつらつと、縦横無尽に活躍していくことが大切なのである。 山本伸一は、包み…

小説「新・人間革命」 灯台 11 5月2日

社会部の勤行集会で、山本伸一は、広宣流布といっても、自分の足元を固めていくことが重要であると訴えた。 「足元を固めるというのは、具体的に言えば、平凡なようですが、まず、健康であるということです。人間として、社会人として、最も大事なものは、自…