2009-01-01から1ヶ月間の記事一覧

小説「新・人間革命」  1月22日 新世紀52

松下幸之助と山本伸一が、互いの質問に対する回答を、ほぼ終えたころ、『週刊朝日』の編集者から、これを公開してはどうかとの話があった。 松下も、伸一も、もともと公表を意図して始めたものではなかった。 しかし、編集者の熱心な勧めに従い、二人は了承…

小説「新・人間革命」 1月21日 新世紀51

仏法には「恩」という考え方がある。それはタテ社会の主従関係を強いるものではない。 「一切衆生の恩」が説かれているように、心を社会へと広げ、他者の存在を受け入れ、信頼の眼を開いていく哲学ともいえよう。 山本伸一は、この「恩」について、松下幸之…

小説「新・人間革命」 1月20日 新世紀50

松下幸之助にも、仕事のことを考え、悩んで、眠れないことは何度もあったという。 悪いことをする従業員がいて、悩み抜いた時もあった。しかし、そのなかで、現実を見すえ、「自分が、いい人だけを使って仕事をやるというのは虫がよすぎる」と気づく。 する…

小説「新・人間革命」  1月19日 新世紀49

山本伸一も松下幸之助に、次々と質問をぶつけた。質問は双方、百五十問ずつとした。 松下の質問は、根源的で、鋭かった。たとえば、政治に関しても、「政治はなんのために行われるものか」「わが国の政治に一番欠けているものは何か」「総理大臣に望まれる要…

小説「新・人間革命」  1月17日 新世紀48

一九七三年(昭和四十八年)の秋、信濃町で会談した松下幸之助と山本伸一は、どちらからともなく、こんな話になった。 ――二人の語らいを、なんらかのかたちで、記録として残しておくことも、意味があるのではないか。 そして、二人が直接会う機会は限られて…

きょうの聖教新聞  2009・1・24

★名字の言 ▼若き池田名誉会長が、事実無根の冤罪で不当逮捕された「大阪事件」。あす25日は、昭和37年(1962ねん)に、その「無罪判決」が下った日である ▼法廷闘争が始まって間もなく、居ても立ってもいられず、ある婦人部員は裁判所へ足を運んだ。…

きょうの聖教新聞  2009・1・23

★名字の言 ▼ピンチこそチャンスである。飛行機が向かい風から揚力を得て上昇するように人生も逆境を成長の因として、幸福の道を切り開いていける ▼イソップの寓話集に「狐と葡萄」という話がある。腹をすかせたキツネが、高い枝になったブドウを見つけて飛び…

きょうの聖教新聞  2009・1・22

★名字の言 ▼世の中には、さまざまな“人を助ける仕事”がある。『働く人の夢』(日本ドリームプロジェクト偏、いろは出版)には、そうした仕事に携わる、若者の率直な胸の内がつづられている ▼医師免許を取得して3年になる女性。“いのちの重さ”に押しつぶされ…

きょうの聖教新聞  2009・1・21

★名字の言 ▼座談会の帰り道、出会った知人から「何かいいことでもあったんですか?」と言われた。よく、“創価学会の会場から出てくる人は、風呂上りのような、さっぱりした表情をしている”と言われるが、そのような顔をしていたのであろう ▼人が成長するため…

きょうの聖教新聞  2009・1・20

★名字の言 ▼「つらい」と「しあわせ」を漢字で書くと、「辛」と「幸」。成り立ちは違うが、「辛」は上部に一本、横棒を足せば「幸」になるから、詩人・星野富弘は「もう少しで幸せになれそうな字」と歌った ▼病気、挫折、事故、災害など大なり小なり試練に見…

きょうの聖教新聞  2009・1・19

★名字の言 ▼世界的な経済危機の津波が日本を襲う。こうした「みんなが苦しい時代」に最もよく見られる反応は、自分の変えられないものに責任を押し付けることーと国際関係評論家の北野幸則氏は指摘する ▼それよりも、①変えられないことに一喜一憂せず②自分が…

【第6回】 第2代会長 3 2009-1-13

【第6回】 第2代会長 3 2009-1-13 恩師と二人で創価大学の構想を練った 「必ずつくります 世界一の大学にします」 学生街の食堂で 昭和二十五年(一九五〇年)秋、池田大作青年に、師の個人教授は続いていた。ルソーの『エミール』などを題材にした。 社…

きょうの聖教新聞  2009・1・18

★名字の言 ▼「初日の出 不二の山も 悠然と いざ勝ちまくれ 富士が見つめむ」(第1回)。年頭から、世界桂冠詩人である池田名誉会長の詩歌と富士の写真が連載され、反響を広げている ▼古来、富士に感化されたというエピソードは少なくない。約100年前、日…

きょうの聖教新聞  2009・1・16

★名字の言 ▼「いまだ一度も、お目にかかったことのないのに、なぜー」と、日蓮大聖人は仰せになられた。「皆、日蓮を憎んでいる」「それなのに、なぜこのように、私をご信用になるのであろうか」(御書1379ページ、通解) ▼この御手紙が宛てられた門下は…

小説「新・人間革命」  1月16日 新世紀47

自社を優良企業に育てた松下幸之助には、“ダム経営”と呼ぶ経営理念があった。ダムに水をためておくように、たとえば、資金や設備、人材も、常に一定の余裕をもつべきであるとの考え方だ。 しかし、日本の国は、予算は毎年使い切るという考えに立ち、年度内に…

きょうの聖教新聞  2009・1・17

★名字の言 ▼きょうと明日、大学入試センター試験が実施される。いよいよ受験シーズンの本番を迎えた。この季節、受験生にとっては気の抜けない日が続く ▼「灯は尽き、目は朦朧とし、眠りを欲す。しかし、一行一字を尚も学びたい」。これは、池田名誉会長が月…

小説「新・人間革命」  1月15日 新世紀46

山本伸一は、松下幸之助に、教育は、いわば自分の命と引き換えにして打ち込まなければならない事業であることを述べた。そして、政治家の育成よりも、自身の健康、長寿を第一にしてほしいとの思いを伝えた。 だが、松下の信念は固かった。自分の残された命を…

2008年1月13日付 聖教新聞  新時代第25回本部幹部会 下-1  広布第2幕第13回全国青年部幹部会 名誉会長のスピーチ

2008年1月13日付 聖教新聞 新時代第25回本部幹部会 下-1 広布第2幕第13回全国青年部幹部会 名誉会長のスピーチ 君よ未来の広宣流布を頼む 創価の春へ! 一日一日 勝利の山を登れ 宝の女子部よ輝け 健康第一で!賢明に朗らかに 花の芸術部に喝…

2008年1月12日付 聖教新聞 新時代第25回本部幹部会 上-2 広布第2幕第13回全国青年部幹部会 名誉会長のスピーチ

2008年1月12日付 聖教新聞 新時代第25回本部幹部会 上-2 広布第2幕第13回全国青年部幹部会 名誉会長のスピーチ 1月8日は原点の日 一、きょう1月8日は、創価の師弟の原点の日である。 昭和20年(1945年)、獄中闘争を続けておられた…

きょうの聖教新聞  2009・1・15

★名字の言 ▼40年前、池田会長(当時)は、1枚の写真を目にした。部員会に集った東北の中等部員が写っている。即座に伝言。「10年後に必ず会おう」 ▼1979年(昭和54年)1月、東北を訪れた会長は、約束通り、彼らと会う。「勝負は10年見なければわ…

2008年1月12日付 聖教新聞 新時代第25回本部幹部会 上-1 広布第2幕第13回全国青年部幹部会 名誉会長のスピーチ

2008年1月12日付 聖教新聞 新時代第25回本部幹部会 上-1 広布第2幕第13回全国青年部幹部会 名誉会長のスピーチ 幸せに! 皆仲良く! 世界一の創価家族が希望の前進! "恩師に捧げた わが人生に悔いなし" 師弟不二の青春に栄冠 戸田先生の誓い …

【第5回】 第2代会長 2 2009-1-10

「どこまでも 師弟の道を行け! 一人の青年が声を上げ学会は救われた 矢島周平という男 戸田城聖から矢島周平に理事長職が正式にバトンタッチされたのは、昭和二十五年(一九五〇年)十一月十二日、創価学会の第五回総会である。 矢島の経歴については、さほ…

【第4回】 第2代会長 1 2009-1-9

わかりました 戸田先生に 必ず会長になっていただきます 私が全力で戦い、守ります 理事長を辞任する 「毎年、八月二十二日が来ると思い出す。暑い暑い日だった」 池田大作SGI会長は今も時折、述懐する。 昭和二十五年(一九五〇年)のその日は火曜日だっ…

【第3回】  日本正学館 3 2009-1-7

畑ちがいの仕事で 予期せぬ恩師の事業の暗転──脚本家・橋本忍のインタビューのさい、池田大作SGI会長は当時を振り返って述べている。 「信心というのは、こういう試練を経なければいけないのです。社会の荒波を乗り越えなければならない。その目的のため…

【第2回】  日本正学館 2 2009-1-6

時代と背景 昭和24年、戦後の混乱は続き、国鉄をめぐる「下山事件」「三鷹事件」などが相次いだ。騒然とした世相にあって、名曲「青い山脈」が大ヒットする。若き池田編集長は、この歌を作詞した西條八十にも体当たり。「どうか少年たちに偉大な夢を与えき…

第1回  日本正学館 1-2

神田の街角で これほど強い宗教の負のイメージをぬぐい去った戸田城聖という人物とは? 作家の西野辰吉は述べている(『伝記 戸田城聖』)。 「あるものには"受験の神様"にみえ、あるものにはあぶなっかしい素人事業家にみえ、あるものには山師ふうな法螺ふ…

小説「新・人間革命」 1月14日 新世紀45

「真々庵」での、松下幸之助と山本伸一の語らいは弾んだ。 この日、松下は伸一に、仏法で説く人間観などについて、次々と質問した。 伸一は、仏法の精髄の教えである法華経では、万人が等しく尊極無上の「仏」の生命を具え、また、本来、誰もが人びとを救済…

小説「新・人間革命」  1月13日 新世紀44

松下幸之助と販売会社の社長らとの懇談会は三日目に入った。さまざまな苦情や意見をじっと聞いていた松下は、最後に言った。 「結局は松下電器が悪かった。この一語に尽きると思います。みなさん方に対する私どものお世話の仕方が不十分でした」 そして、か…

小説「新・人間革命」  1月12日 新世紀43

松下幸之助との会談を終えると、山本伸一は総本山を案内し、丁重に見送った。 それから半年余りが過ぎた十一月、伸一は京都にある松下の別邸「真々庵」に招かれた。 松下は茶室で自ら茶をたて、伸一をもてなした。心に染み渡る一服であった。 あとで聞いた話…

小説「新・人間革命」  1月10日 新世紀42

松下幸之助と山本伸一の語らいは尽きなかった。松下は、現代の日本には、国のため、世界のために行動しようという人物がいないと憤ったあと、しみじみとした口調で語った。 「会長のおっしゃる通りです。根本は人間です。人間をつくらなあきまへん。それが一…