2017-01-01から1年間の記事一覧

小説「新・人間革命」 暁鐘 五十四 2017年11月3日

山本伸一は、アメリカには日系人のリーダーも多いことから、日々の活動を推進するうえでの留意点を、語っておこうと思った。 「特に、日系人のリーダーは、日本と同じ感覚に陥らないように注意してほしい。 アメリカは多民族国家であり、人びとの考え方も、…

小説「新・人間革命」 暁鐘 五十三 2017年11月2日

大西洋を越えて、山本伸一の一行がニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港に到着したのは、現地時間の十六日午後三時前であった。 ニューヨークは六年ぶりの訪問である。 このニューヨークでは、以前、現地の宗門寺院に赴任した住職が狡猾に学会批判を…

小説「新・人間革命」 暁鐘 五十二 2017年11月1日

山本伸一は、小会合の大切さも強調した。 「小さな会合を、着実に重ねていくことです。 メンバーがそろわないことがあっても、また声をかけ、よく励まし、疑問があれば、納得するまで語り合い、友情と信頼の絆を結んでいくことが大事なんです。 寄せ返す波が…

小説「新・人間革命」 暁鐘 五十一 2017年10月31日

広宣流布は、団結の力によってなされる。 そして、団結といっても、皆がいかなる人間観をもっているかが、重要な決め手となる。 ゆえに、山本伸一は、誰もが使命の人であるという仏法の人間観に立ち返って、団結について語っておこうと思った。 「皆が等しく…

小説「新・人間革命」〉 暁鐘 五十 2017年10月30日

詩を読み上げる力強い声が会場に響く。 フランスの青年たちの瞳が輝き、新しき世紀への旅立ちの決意が燃える。 「今ここに 立ちたる青年の数二百名 君達よ フランス広布の第二幕の峰の頂上に立ちて 高らかなるかっさいと 凱歌をあげるのだ そのめざしゆく指…

青春勝利の大道 第27回 実り豊かな友好・対話の秋

第27回 ​実り豊かな友好・対話の秋 ​ 心を耕し生命の花を 文化の秋、音楽隊、鼓笛隊の友が、勇気の音律を地域に社会に広げてくれている。 芸術やスポーツなど、多彩(たさい)な才能(さいのう)を発揮して躍動(やくどう)する若人も頼(たの)もしい。 …

青春勝利の大道 第26回 共に人間革命の栄光譜を

​第26回 共に人間革命の栄光譜を ​ 勝負は最後の執念で決まる 戦いは執念(しゅうねん)で決まる。最後の一歩まで、徹(てっ)して攻(せ)め続けた方が勝つ。 これが歴史の鉄則(てっそく)だ。 「断じて勝つ!」という燃え上がる若き闘魂(とうこん)こ…

青春勝利の大道 第25回 異体同心は 無敵の力なリ

第25回 ​異体同心は 無敵の力なり​ 前進のスクラムの要たれ 御聖訓には、「日蓮が一類(いちるい)は異体同心(いたいどうしん)なれば人人すくなく候(そうら)へども大事を成(じょ)じて」(御書1463ページ)と仰せである。 苦楽(くらく)を分かち、仲良…

青春勝利の大道 第24回 地域の希望の 一番星に

​第24回 地域の希望の 一番星に 自ら声を掛け、信頼結ぼう 戸田先生は、新天地で挑戦を開始する青年を励(はげ)まされた。 「気負(きおう)うことはないんだよ。 みんなから好(す)かれる人となることだよ。弘法(ぐほう)といつても、そこから始まるんだ…

青春勝利の大道 第23回 平和の潮流を青年の手で

第23回​ 平和の潮流を青年の手で​ 核兵器なき世界へ前進 戸田先生が青年への「遺訓の第一」として託された「原水爆禁止宣言」より60年。 広島・長崎・沖縄さらに神奈川の若人を先頭に、平和の潮流を広げる熱と力のスクラムを、恩師と共に頼(たの)もしく見…

池田大作先生が贈る 青春勝利の大道 第22回 希望の経典 御書と共に

第22回 希望の経典 御書と共に 一生の土台を築く研鑽を 創価の師弟は、常に御書とともに前進する。 思えば、私が戸田先生に初めてお会いしたのも、先生が「立正安国論」を烈々(れつれつ)と講義されている座談会であった。 学生部の俊英たちと一緒に「御義…

池田大作先生が贈る 青春勝利の大道 第21回 生命磨く鍛えの日々を

第21回 生命磨く鍛えの日々を 朝の勤行が勝利のリズム 伝統の教学試験に向け、若人の求道が、何と凜々(りり)しいことか。受験者を応援してくれるスクラムも尊(とうと)い限りである。 夏は青年の鍛(きた)えの季節。清々しい朝の勤行に挑戦しよう! そこ…

青春勝利の大道 第20回 未来を創る躍進の夏

第20回 未来を創る躍進の夏 「従藍而青」の後継の誉れ いざ人材の躍進(やくしん)の夏が来た。 尊(とうと)き創価の父母の期待に応えんと、わが男女青年部が、折伏に、教学に、さらに未来部育成に金の汗を光らせてくれている。 日蓮大聖人は、若き南条時光…

青春勝利の大道 第18回 英知の光で社会を照らせ

第18回 英知の光で社会を照らせ 立正安国の希望の旗手たれ 日蓮大聖人は、「法華経の一字は大地の如(ごと)し万物(ばんぶつ)を出生(しゅっしょう)す」(御書1263ページと仰せになられた。 我(われ)らが受持(じゅじ)する妙法は、一切を生かす根源で…

大白蓮華 巻頭言 2017年(平成29年)11月号(No.817)

​巻頭言 ザダンカイは元気の幸福劇場​ 池田大作 私は座談会で、師匠とお会いすることができた。 私は座談会で、大仏法を学び、実践してきた。 私は座談会で、愛する同士と一緒に、日本そして世界へ、広宣流布の拡大を起こしてきた。 私は座談会が、何よりも…

【第90回】 妙法の福徳は燦然たり (2017.10.29)

仏法の中に内薫外護と申す大なる大事ありて宗論にて候 (崇峻天皇御書、1170ページ) (通解) 仏法の中に、「内薫外護」という大変に大事な法門があって、それは仏法の要である。 同志への指針 内なる仏性を薫発すれば、外からの守護が必ず現れる。 「内…

【第89回】 ​「一念に億劫の辛労」を!​​ (2017.10.21)

​​​​​​​一念に億劫の辛労を尽せば本来無作の三身念念に起るなり所謂南無妙法蓮華経は精進行なり​​​​​​​ (御書790ページ)​ (通解〉 一念に億劫の辛労を尽くして、自行化他にわたる実践に励んでいくなら、本来わが身に具わっている仏の生命が瞬間瞬間に現れ…

小説「新・人間革命」 暁鐘 四十九 2017年10月28日

三人の青年たちのうち、一人の女子部員が口を開いた。 「私は一年前に信心を始めました。私の住む町では、信心をしているのは私だけです。 座談会の会場にいくにも数時間かかります。 こんな状況のなかでも、地域に仏法理解の輪を広げていくことはできるので…

小説「新・人間革命」 暁鐘 四十八 2017年10月27日

地下鉄の中でも、山本伸一の口述は続いた。 同行のメンバーは、懸命にメモ帳にペンを走らせる。 チュイルリー駅から三つ目のシャトレ駅で、郊外に向かうB線に乗り換える。 “動く歩道”でも、電車を待つ間も口述を重ねた。 「今 社会は 夕陽の落ちゆくごとく …

小説「新・人間革命」 暁鐘 四十七 2017年10月26日

山本伸一は、パリにあっても、要人や識者と対話を重ねる一方で、メンバーの激励に全力を尽くした。 パリに到着した翌日の十一日には、フランスの青年メンバーとの信心懇談会に臨み、十二日にはパリ会館を訪問し、勤行会に集った人たちを激励。 さらに、懇談…

小説「新・人間革命」 暁鐘 四十六 2017年10月25日

フランス上院の議場を見学した山本伸一は、公邸で、ポエール議長と会談した。 議長は、創価学会に強い関心をもち、かねてから親しく話し合えることを願っていたという。 また、人間尊重と平和への理念のもと、今回、伸一が、ソ連、ブルガリアなど、社会体制…

小説「新・人間革命」 暁鐘 四十五 2017年10月24日

ビクトル・ユゴーは、独裁化する大統領のルイ・ナポレオン(後のナポレオン三世)によって弾圧を受け、亡命を余儀なくされた。 そのなかで、大統領を弾劾する 『小ナポレオン』『懲罰詩集』を発表し、この亡命中に、大著『レ・ミゼラブル』を完成させている…

小説「新・人間革命」 暁鐘 四十四  2017年10月23日

広宣流布は、常に新しき出発である。希望みなぎる挑戦の旅路である。 10日午後3時半過ぎ、山本伸一の一行は、50人ほどの地元メンバーに送られ、マルセイユを発ち、鉄路、パリへと向かった。約7時間ほどの旅である。 伸一の間断なき奮闘の舞台は、花の都パリ…

【第88回】 嵐に不動の鍛えの信心で (2017.10.19)

きたはぬ・かねは・さかんなる火に入るればとくとけ候、冰をゆに入るがごとし、剣なんどは大火に入るれども暫くはとけず是きたへる故なり (四条金吾殿御返事、1169ページ) (通解) 鍛えられていない鉄は、燃え盛る火に入れれば、すぐに溶けてしまう。 …

【第87回】 題目には無量無辺の功徳力 (2017.10.12)

今法華経は四十余年の諸経を一経に収めて十方世界の三身円満の諸仏をあつめて釈迦一仏の分身の諸仏と談ずる故に一仏・一切仏にして妙法の二字に諸仏皆収まれり、故に妙法蓮華経の五字を唱うる功徳莫大なり(唱法華題目抄、13ページ) (通解) 今、法華経は…

【第86回】 いかなる障魔も吹き飛ばせ (2017.10.5)

『種種の大難・出来すとも智者に我義やぶられずば用ちいじとなり、其の外の大難・風の前の塵(ちり)なるべし』 ​​​​​​​(開目抄、232ページ) 〈通解〉 (誘惑や脅しなど)種々の大難が出てきても、私の正しい法義が智者に破られることがない限り、決し…

小説「新・人間革命」 暁鐘 四十三 2017年10月21日

九日正午、山本伸一たちは、マルセイユを訪れた。小高い丘の上に四角い鐘楼がそびえていた。 ノートルダム・ド・ラ・ガルド寺院である。 丘に立つと、地中海のコバルト色の海に浮かぶ、石造りの堅固な城壁に囲まれた小島が見える。 『巌窟王』の邦訳名で知ら…

小説「新・人間革命」 暁鐘 四十二 2017年10月20日

山本伸一は、ここで、仏法で説く「発心」について語っていった。 「『発心』とは、『発菩提心』という意味である。簡単に申し上げれば、悟りを求める心を起こすということであり、成仏への決心です。 人生をより良く生きようとするには、『汝自身とは何か』…

小説「新・人間革命」 暁鐘 四十一 2017年10月19日

翌七日、夏季研修会の一環として、ヨーロッパ広布二十周年の記念総会が開催された。 山本伸一は、この席でも、御書を拝して、参加者と共に、仏法の法理を研鑽し合った。 そのなかで彼は、一切衆生が「仏」の生命を具えていることを述べ、生命の尊厳を説く仏…

小説「新・人間革命」  暁鐘 四十 2017年10月18日

六日の午後、欧州研修道場では、山本伸一が出席して、ヨーロッパ広布二十周年を記念する夏季研修会が晴れやかに開幕した。 これには、地元フランスの百人をはじめ、十八カ国五百人のメンバーが集った。 伸一は皆と厳粛に勤行し、参加者の多幸とヨーロッパ広…